2011年4月11日月曜日

『英作文なんかこわくない』刊行


装丁:小塚久美子
東京外国語大学出版会 2011年4月11日
A5判・並製・285頁・定価:1890円(本体1800円+税)
ISBN978-4-904575-13-0 C0082

 4月11日(月)、馬場彰先生(本学名誉教授)監修、猪野真理枝(本学院出身)さん、佐野洋先生(本学教授)共著『英作文なんかこわくない』が小会より刊行されました


 本書はTOEICの勉強だけでは見落としがちな「英作文」能力を向上させる、大学生・ビジネスパーソン向けの学習書です。グローバル化が進み日本人が英語で発信する機会が益々増えていくなか、日本語は英語と非常に異なる言語構造を持つために、日本人が英作文をすると、日本語をそのまま直訳したような英文を書きがちです。本書はその点に着目し、日本語の文法を正しく理解し、その意味に対応する英作文のしかたを学ぶ対照言語学的なアプローチを採用しています。最初は慣れない母語の文法説明に戸惑うかもしれませんが、読み進めていくうちに、きっと「なるほど、自分の日本語がうまく英語にできなかったのは、こういうわけだったのか」と、気づくことでしょう。

 本書は5つのステップから構成されています。
〈Step 1からStep 3〉文型、立場表現、時間表現などの日英語どちらにも存在する表現形式を比較しながら、英作文の練習をします。
〈Step 4〉日本語にない構造である「無生物主語」と英語にない構造である「主題文」を知り、それらを英語で表現する方法を学びます。
〈Step 5〉日本語をより自然な英文にするために、日英語の「文の基本構造の違い」を知り、「自然な英文をつくる」ための総仕上げをします。

〈1回1ユニット構成〉
 5つのステップは、複数のユニットにわかれており、1つのユニットが、1日30分程度の学習で終えられるように作られています。1つのユニットは「①解説→②英作文の公式→③Check it out→④例題→⑤例題解説」で構成されています。また、各ステップの終わりには、そのステップで学んだ内容を再確認するための、復習テストがあります。1ユニットを1日で終えれば、復習テストを含めて合計39日で終えることができます。

■著者紹介:
猪野真理枝(いの まりえ)
 東京外国語大学大学院博士前期課程修了。言語学修士。大手進学塾でビジネスパーソン向けの英語教材の作成と編集に携わる。長年、英語教育を専門とし、e ラーニング教材開発ディレクターや企業教育向け英語講師も務めた経験をもつ。

佐野洋(さの ひろし)
 1960年生まれ。東京外国語大学総合国際学研究院教授。情報工学専攻。著書に『Windows PCによる日本語研究法――Perl,CLTOOLによるテキストデータ処理』(共立出版)、主要論文に「日本語学習素材作成のための日本語処理ソフト ウェア」などがある。

■監修者紹介:
馬場彰(ばば あきら)
 1945年生まれ。東京外国語大学名誉教授。英語学(生成統語論・歴史的統語論・辞書学)専攻。著書に『BBI英和連語活用辞典』(共編著、丸善)、 『リーダーズ・プラス』(編集委員、研究社)、『世界の言語ガイドブック1:ヨーロッパ・アメリカ地域』(共著、三省堂)、訳書にJ.ライアンズ『チョム スキー』(共訳、岩波書店)などがある。