5月25日(金)、本学本部管理棟2階の大会議室で、国際シンポジウム「東アジア文化地図の共有に向けて──感情記憶をどのように描くか」(共催:東アジア出版人会議/「近現代世界の自画像形成に作用する《集合的記憶》の学際的研究」(岩崎稔科研)/本学出版会)が、開催されました。これは、第13回東アジア出版人会議の一環として開かれた一般公開のシンポジウムです。
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会場には、一般市民、研究者、外大生を含め100名以上が集まり、シンポジウムは岩崎稔氏(本学出版会編集長)の挨拶で幕を開けました。
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その後、孫歌氏(中国社会科学院文学研究所研究員)による基調講演「われわれはなぜ東アジアを語るのか」が行われました。1)東アジアと呼ばれるカテゴリー、2)中国におけるアジア論の歴史的文脈とその方向性、3)日本と韓国における東アジア論のジレンマと課題、4)東アジア論の第一線に立つ朝鮮半島と沖縄、5)分断体制論と東アジア論が直面する難題、6)東アジアの出版人たちへの提案、などについて語られました。
孫歌氏の基調講演の後、各地域からの報告として、まず日本の龍澤武氏(前平凡社取締役編集局長)は、戦後の日本がどのように「原子炉」を受け入れてきたのかを、緻密に調べあげた文献の紹介とともに語りました。
台湾の林載爵氏(聯経出版社発行者兼編集長)は、台湾史を再構築するにあたっての複雑な経験を、映像や音声を駆使しながら語りました。
韓国の韓性峰氏(東アジア出版社代表)は、韓流の構造的また歴史的認識と東アジアの大衆文化の可能性について時おりユーモアを交えながら語りました。
中国の劉蘇里氏(万聖書園図書公司取締役)は、昨今中国で頻発している“新人”と呼ばれる若者の犯罪によって、露になりつつある大国の問題について語りました。
高橋哲哉氏
丸川哲史氏
高榮蘭氏
岩崎稔氏
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(写真・文:後藤亨真)