2012年4月24日火曜日

読書冊子「pieria 新しい世界との邂逅」のブックフェアを開催中! ──編集室だより


表紙デザイン:細野綾子
本文デザイン:キロワット 細野綾子(P20〜P45)
東京外国語大学出版会&附属図書館
発行日:2012年4月1日
A5判・並製・80頁・無料配布

例年春に発行している読書冊子「ピエリア」の第4号ができあがりました。
今年は、毎年ご好評いただいている「外大生にすすめる本」と、さまざまな言語の詩集を紹介する「世界の詩とめぐりあう」という二つの特集を組みました。そのほかに在学生による落語を紹介するコーナーや言語の座談会も誌面を飾っています。本学附属図書館や本学生協ほか、首都圏を中心とした新刊書店・古本屋にも置かせていただいています。

いま、「外大生にすすめる本」で紹介された本を中心にブックフェアを、ジュンク堂書店吉祥寺店と本学生協の購買書籍部で開催中です!

先日、それぞれのフェアを取材し、ご担当の書店員さんにお話をうかがってきました。写真とともに以下にレポートします。


★ジュンク堂書店吉祥寺店でのフェア★

フェアは、吉祥寺駅にほど近い「コピス吉祥寺」の中のジュンク堂書店吉祥寺店6Fエレベーター前の語学書コーナーで開催しています。特集「外大生にすすめる本」の中から、本学の教職員と在学生18名が選んだ本がところ狭しと並んでいます。今回のフェアをしつらえてくれたのは、芸術書ご担当の大内章世さん。その大内さんお手製のポップが、これらの本とともに色とりどりに並べられています。

こちらの看板も大内さん作。フェアの看板の背景をよくよく見てみると、そこにはさまざまな言語に翻訳された「ことば」が!

 
「ピエリア」もポップ付きでしっかりとおさまっています。この読書冊子はフリーペーパーなので、お立ち寄りの際は、ぜひお持ち帰りいただきじっくりお読みください。

本学附属図書館の職員・木村有美子さんおすすめの本。
①『日本の優秀企業研究──企業経営の原点・6つの条件』新原浩朗著 日経ビジネス人文庫 2006
②『日本力』松岡正剛/エバレット・ブラウン著 PARCO出版 2010
③『日本のデザイン──美意識がつくる未来』原研哉著 岩波新書 2011
松岡正剛さんの『日本力』がこのフェアのなかで一番の売れ行きとのこと。

次は、本学教授の柳原孝敦先生(スペイン語文学・思想文化論)のおすすめ本。
①『メキシコの美の巨星たち──その多彩でユニークな世界』野谷文昭編著 東京堂出版 2011
②『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』ジュノ・ディアス著 都甲幸治/久保尚美訳 新潮社 2011
③『誇り高く優雅な国、日本──垣間見た明治日本の精神』エンリケ・ゴメス・カリージョ著 児嶋桂子訳 人文書院 2001
世界は美と驚きに満ちている! そんなことに気がつかされます。

本学教授の山口裕之先生(ドイツ文学/文化・表象文化論)のおすすめ本。
①『緑の家』(上・下)バルガス=リョサ著 木村榮一訳 岩波文庫 2010
②『存在の耐えられない軽さ』ミラン・クンデラ著 西永良成訳 河出書房新社 2008
③『ブリキの太鼓』ギュンター・グラス著 池内紀訳 河出書房新社 2010
どの本も圧倒的な世界観にふれることのできる名作ばかりです。

こちらは本学在学生の細野まり奈さん(中国語専攻4年)のおすすめ本。
①『家族関係を考える』河合隼雄著 講談社現代新書 1980
②『放蕩記』村山由佳著 集英社 2011
③『神様のボート』江國香織著 新潮社 1999
家族について、そして自分について深く考えさせられます。

こちらも本学在学生の河原木萌乃さん(イタリア語専攻4年)のおすすめ本。
①『アウシュヴィッツは終わらない──あるイタリア人生存者の考察』プリーモ・レーヴィ著 竹山博英訳 朝日選書 1980
②『物乞う仏陀』石井光太著 文春文庫 2008
③『世界を見に行く。』石川直樹著 リトルモア 2012
人間とはなんたるものか、そう考えさせられます。

5月末までの開催です。みなさん、ぜひお立ち寄りください!


「東京外国語大学出版会フェア 新しい世界との邂逅
──言語のスペシャリストが選んだこの3冊」
期間:4月9日(月)〜5月31日(木)
会場:ジュンク堂書店吉祥寺店6Fエレベーター前 語学書フェア棚


★東京外国語大学生活協同組合 購買書籍部でのフェア★

今回、「ピエリア」のフェアを生協で開催してくださったのは、購買書籍部の武藤加奈子さん。ところ狭しとかわいらしい春めいたポップ付きの看板もつくってくださいました。すこし隠れてしまっていますが、左上にはいまだ枯れることのない満開の桜も。一冊一冊の本が春に芽吹く植物のように、イキイキと立ち並んでいます。スペースは決して広くはありませんが、昨今の書店ではあまり見かけなくなった迫力のある書棚を、大胆につくってくださいました。

特集「外大生にすすめる本」で紹介された本の中から選りすぐりの本ばかりが並んでいます。柳原孝敦先生おすすめの野谷文昭編著『メキシコの美の巨星たち』、小田淳一先生ご推薦のB・マンデルブロ『フラクタル幾何学』、野本京子先生のおすすめ守田志郎『学問の方法』などが売れ行き好調とのことでした。「ピエリア」本誌もおいてありますので、ご自由におとりください。

残念ながらフェアの千秋楽が今週末と近づいています。けれどもまだ数日あります。外大生よ、「ハッチポッチ」へ走れ!


「外語大出版会 ピエリア2012年春号 フェア」
期間:4月2日(月)〜4月27日(金)
会場:東京外国語大学生活協同組合1F 購買書籍部


*pieria2012年春号 訂正のお知らせ
P.49、上段5行 目
【誤】一一世紀初頭
【正】一二世紀初頭
(G)