2010年12月6日月曜日

『未知へのフィールドワーク
  ──ダーウィン以後の文化と科学』刊行


装幀:気流舎図案室
東京外国語大学出版会 2010年12月6日
A5判・上製・528頁・定価:4410円(本体4200円+税)
ISBN978-4-904575-09-3 C0098


12月6日(月)、本学の鈴木聡先生翻訳によるジリアン・ビア『未知へのフィールドワーク──ダーウィン以後の文化と科学』が、小会から刊行されました。

ダーウィンが『種の起原』を書いた19世紀は、人類にとって知的・思想的にダイナミックな変革を遂げた時代でした。そのとき新たに生まれた科学的な知識や発見は、現代の私たちに多大な影響を与えています。この本は、その豊かな影響をダーウィンの思想を手がかりにたどり、21世紀の知の世界に開こうとする試みです。














■目次:
緒言
序論

Ⅰ ダーウィン的な出会い
第一章 ビーグル号上の四つの肉体
第二章 土着民は回帰し得るか
第三章 逆方向の旅
第四章 他者を代弁する
第五章 ダーウィンと言語理論の成長
第六章 失われた環の創出=捏造

Ⅱ 科学的著述における記述と引喩
第七章 発見の言語における記述の問題
第八章 翻訳か変形か
第九章 ヴィクトリア朝の科学的著述における譬え、専門化、文学的引喩

Ⅲ ヴィクトリア朝の物理学と未来
第十章 「太陽の死」
第十一章 ヘルムホルツ、ティンダル、ジェラード・マンリー・ホプキンズ
第十二章 読者の賭け
第十三章 波動理論とモダニズム文学の勃興

Ⅳ コーダ
第十四章 『四角が変じて円となる』、ならびにその他の奇妙な符号

訳者あとがき
人名索引

■著者紹介より:
ジリアン・ビア(Gillian Beer)
1935年、イングランド生まれ。オックスフォード大学で英文学を学んだのち、ロンドン大学、ケンブリッジ大学などで教鞭を執る。ブッカー賞の選考委員、 ケンブリッジ大学出版局の『19世紀文学・文化研究叢書』の編集主幹などを務める。著書には、本書のほか邦訳では『ダーウィンの衝撃』(渡部ちあき・松井優子訳、富山太佳夫解題、工作舎、1998年)がある 。

■訳者紹介より:
鈴木聡(すずき・あきら)
1957年、弘前市生まれ。東京大学大学院人文科学研究科英語英文学専門課程修士課程修了。現在、東京外国語大学総合国際学研究院(言語文化部門)教授。 著書に『終末のヴィジョン──W・B・イェイツとヨーロッパ近代』(柏書房)、訳書にスピヴァック『文化としての他者』(共訳、紀伊國屋書店)、イーグルトン『美のイデオロギー』(共訳、同)などがある。